竹邑庵太郎敦盛 – 京都・丸太町
🐾 そば
日本でそばの栽培が始まったのは、縄文時代だそうです。高知県内で9000年以上前のそばの花粉が見つかっているとのこと。古くからの食べ物という印象はありましたが、それにしても歴史がありすぎますね。
少し話は逸れますが、寺社とそばの関係は深いそうです。
そばは五穀に入らないため、僧侶の重要な栄養源で、「寺方そば」としてお寺の中でも振る舞われていました。それが門前町にも広がっていき、「門前そば」となったそうです。
そばの歴史を紐解くと、現在の麺の形になったのは江戸時代とのこと。
当初は、茹でると切れやすいことから、蒸して食べていたそうです。「せいろ」という言葉がありますが、蒸籠でそばを蒸していた頃の名残なんだとか。
庶民の味として親しまれ続けてきたそばにも、いろいろな歴史を感じます。
🐾 蒸し蕎麦
江戸時代に食べられていた蒸し蕎麦を味わうことができるお店が京都にあります。
「竹邑庵太郎敦盛」(ちくゆうあんたろうのあつもり)です。
京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅を出で、歩いてすぐです。
京都御所が目の前に広がっています。
最後、ちょっと小径に入りますが、看板が出ているので大丈夫でしょう。
気合い入りすぎて、開店前に着いてしまいました。
開店を待っている間も、店の看板で楽しめます。
入口からすぐ2階に上がりますが、当然一番乗りなので、席は選び放題。逆に迷いますね。
とは言っても、ひとりですので、そこはわきまえます。
入口で待っているときから決めていたので、メニューは確認するだけです。
暑い夏に訪れましたが、ここは「あつもりそば」一択です。
そして日本酒をいただきました。
「蕎麦前」とはよく言ったものです。まさにそのとおり。おいしい時間を味わいながら、そばを待ちます。
お酒を呑みながら、蒸しそばの食べ方を確認していると、まず出汁が運ばれてきました。
出汁と卵を混ぜながら、「ワクワク」が止まりません。やがて、その「ワクワク」が運ばれてきました。
四角い蓋をとると、いましたよ、そこに。
「蒸し蕎麦」です。その存在感がハンパないです。
麺はもっちりとしていて、まさにそばを食べているなあと思わざるを得ません。
卵と出汁と九条ネギが良い味を後押ししてくれます。
最初、ボリュームたっぷりに見えましたが、そんなことなく、あっと言う間に食べ終わってしまいました。
🐾 そばハくすり
入口にあった「そばハくすり」
病気を治すことだけでなくて、「元気になる」「チカラが出る」ことも表しているだと思います。
うん。よい言葉です。
外が明るいうちに、風情ある部屋で、お酒を呑みながら昔ながらのそばを味わう。
なんという贅沢な時間だったのでしょう。
そばが大好きで良かったです。
良いお店、京都で見つけました。
– Info. List –
『竹邑庵太郎敦盛』
京都府京都市上京区椹木町通烏丸西入養安町242-12
【営業時間】 11:00 ~ 14:30
【店休日】 日曜・祝日
【アクセス】
京都市営地下鉄烏丸線「丸太町」駅2番出口から徒歩およそ1分